2009年3~4月BOOKレビュー!(4冊)
2009年6冊目
嫉妬の香り 作者 辻仁成
私は、辻仁成さんがあまり好きじゃないんです・・・
というのも、今の奥さん、中山ミポリンに初めて会った時に、「やっと会えたね!」と言ったエピソード、あと雑誌のエッセイなんかを読むにつけ、この人はアカン~~といつも思ってます。![]()
でも、小説としてはそんな歯が浮くセリフもアリです。
「冷静と情熱のあいだ」も「サヨナライツカ」は好きな本ベスト5に入るであろう大のお気に入りで、辻仁成さんの作品は好んでいます。
この嫉妬の香り…
2組のカップルが織り成す、4角関係みたいな話です。
この2つのカップルのそれぞれ嫉妬深い方が要らぬ嫉妬を繰り返し、嫉妬深い方者同士がくっ付いたり離れたり、嫉妬深くない者同士がくっ付いたり離れたりします。
主人公のテツシは、この嫉妬という感情が自分の目を曇らせてしまい大切なものを失ってしまったことに気が付くのですが、この一方的な行動も、辻仁成マジックにかかると切なく感じたりします。
しかし、嫉妬というのはものすごいパワーがありますね![]()
私自身はあまり記憶にない感情なんですが、自分の好きな人をそこまで疑えるものなのか・・・
さっぱり、わかりません
物語りのラストは、嫉妬の闇から抜け出したテツシに、何かが変わりそうな甘い特別な香り届き、ハッピーエンドを予感させます。
この本における嫉妬は、人間の成長においても、恋人との関係においても一役買った感じがあるんですが、現実でもそうなんでしょうかね?
特にオススメしません。
この本から、特に得るものもないと思いますが、辻仁成さんの作品が好きな人なら、暇つぶしにはなります。
2009年7冊目
ゲバラ最後の戦い 作者 レジス・ドブレ
ドブレに対しては、ゲバラがボリビアでのゲリラ活動に失敗した、命を落としたきっかけを作ったように感じているので、最悪な印象を持っています。
ゲバラのボリビア潜伏中、呼んでもいないのにお供を連れてボリビアにやって来て、その連れがゲバラの似顔絵スケッチをしていたことで、その後ゲバラがボリビアにいることが明らかになった…そんな経緯があるもので。
この本を読めば、ドブレが何の目的でボリビアに行ったのかがわかるのかと思ったんですが、さっぱりわかりませんでした。
ボリビア革命は最初から勝利を収める環境にはなかったことと、度重なる不運がゲバラの命を奪う結果になったということを延々書いているだけの本です。
整合性が付かない部分もあり、あと、表現も未熟?というかどこか読みにくい本なのですが、ゲバラ日記とリンクさせてみると、ゲバラがボリビアで探し続けていた仲間達がその間どうしていたのか…についても記されていたので興味深い部分もあります。
ドブレが何のためにボリビアに行ったのかは未だに謎ですが…。
あっ、ドブレですが、ゲバラを訪ねた直後に捕らえられて軍事裁判にかけられました。
全面自白により恩赦を受けて生き延びたドブレは、その後一転、ゲバラを批判する側に回っています。
ゆるぎない信念…ドブレにはなかったみたいですね。
2009年8冊目
ふたりの季節 作者 小池真理子
詩集かと思うほど、文字数が少ない本です。
病院の待合室にいる間に一気読みしてしまいました!
2年前に離婚をし、新たな道を歩み始めた50代半ばの女性が主人公です。
仕事に追われる毎日の中、久しぶりの休暇を取り、その初日に出かけたカフェで、30年以上前に別れた昔の恋人と再会します。
この再会のひとときを描いた、また会おうと別れるまでのお話です。
その数時間の間に特別ドラマチックな出来事があるわけでもなく、「えっ、これで終わり?」というエンディングだったのですが、読み終わった後の気分はなんとなく爽やかでした。
エンディングは、
人生は続いている。 (中略)
ずいぶん遠くまで来てしまったと思っていたのに、道はさらに先に延びているようである。
このまま、もうしばらく、歩いて行けそうだ。
道の先にあるものは、まだ見えてこない。
これから、この主人公の女性に何かが起こるかもしれないし、起こらないかもしれませんが、
人生は予定調和には決して動いていかない。
起こったことは受け入れる。
起こらなかったことも受け入れる。
(文中より)
↑がこの本で、最も印象に残った一節なのですが、このように思っていきていけば、自分の思うようにいかずにイライラしたりすることもなく、穏やかに生きていけそうだなぁ…と思いました。
作者自身のあとがきの最後の一節。
あの時代を、由香と拓(主人公の名)のごとく私と共に生き、共に走り抜けてくれた懐かしい恋人に、本書をささげる。
小池真理子という女性は、なんてカッコイイ人なのでしょう!
ラクに読める本なので、ぜひ読んでみてください。
旅先なんかで読むといいだろうなぁ…と思います。
私は病院の待合室で読みましたが…
2009年9冊目
わが夫 チェ・ゲバラ 作者 アレイダ・マルチ
著者のアレイダ・マルチとはゲバラの2番目妻で、今も生存しています。
ゲバラとの出会いと別れ、そして現在に至るまでの思いがこの本に綴られています。
この本を出すに至った大きな理由は、自分の中で飛来する思い出をまとめることで、ゲバラの目指した公正な世界がどういうものだったのかを広めたかったということなんですが、ゲバラが自分に一目惚れをしたとか、ゲバラがどんな風に自分に気持ちを伝えてきたのか、そんなことを綴ってゲバラの思想を広めることにつながるのでしょーか?
こんなプライベートなことは、ふたりの思い出として心に秘めておけばいいのに…とは思うものの、逆に、他のゲバラ本にはない俗っぽさというか人間味があります。
この本でアレイダが1番伝えたかったことは、ゲバラは私にゾッコンだったのよ
です。 たぶん…
あと、どうやらアレイダは嫉妬深い人だったみたいです。
ゲバラの前妻に関する(アレイダとゲバラは、ゲバラが離婚する前に親密になっていたので、俗にいう不倫から始まった関係)、「チェ(ゲバラ)が選んだ人なんだからステキな人なんだろうと思っていたけれど、会ってみるとそーでもなかった」みたいな表記に見え隠れするアレイダの嫉妬心。
これをあえて本に書いてしまうアレイダに、ゲバラを亡くした後の辛さや淋しさを感じたりもしますが、私だったら他者に向けた本に、こんなことは書かないなぁ。
ちなみに、アレイダ自身は「私はよく嫉妬深いと言われますが、決して嫉妬深いわけではない」と書いてます。
書けば書くほど、逆の印象を植え付けると思うんですが…。
とはいえ、この本を読むと、アレイダが、革命当時もゲバラの死後もキューバのために尽力したことがわかります。(最近まで政治に携わっていた)
並みの女性では成し得なかったことだと思いますし、きっと今も強い信念を持ち続けて生きているんでしょうね。
そうそう、私はゲバラの次男と同じ誕生日でした。
私がこんなにゲバラに熱くなったキーはココにある![]()






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