「さまよう刃」 第13弾
平日のTOHOのタダ券をもらったので、何にしようかと迷ったのですが、東野圭吾作品ってことで「さまよう刃」に決定。
先週観てきました
(with Yくん)
私もYくんも原作を読んでいるハズ…なのに、どんなストーリーだったかほとんど覚えてない。
ってことは原作はイマイチだった???なんて考えながら中に入ると、なんと、着席しているのはたった3人。ガラ空き![]()
最終的には20人くらいは入っていたように思いますが、公開2週目でこの状態…この作品の興行収入は相当厳しそうです。
出来栄えが悪いんで、仕方ないって思いますが…
眠たくなる駄作ってことではないです。
何の罪もない人が死んでしまい、犯罪者が警察の手で守られて生き残る…という、とてつもなく後味の悪い映画なんです。
この映画では、高校生の娘を無残に殺されてしまった寺尾聡演じる長峰が犯人に復讐をしようとする様子と、長峰のその行為を阻止するために動く警察の様子(犯罪者の命を守らねばならない警察)が描かれています。
犯人が未成年であれば極刑に処されることはないという日本の法律が、極刑を望む被害者家族にとっては理不尽なものになっていること、それは私が言うまでもなく幾度と報道されていることです。
長峰は、この法の壁を飛び越え、自分の手で復讐することを選び、追い詰めていくのですが…十分に伝わっていることをより痛々しく強調する描き方が、う~~~ん。![]()
長峰は、娘を手にかけた2人の男のうち1人を、男の家で待ち伏せをして絞め殺そうとし、自分が殺したと思っています。(実際のところ、とどめを刺したのは別の人物なのですが、ストーリーには影響しません。 こんな重要なことがストーリーに影響を及ぼさないってのも変ですよね…)
長峰だけではなく、警察も長峰が犯人だと思って指名手配をかけるのです。
そうそう、ここでは、男達が娘を手にかけているビデオテープを見てしまった長峰が激しく嘔吐し続ける場面がありました。
この嘔吐のシーン…それくらい激しいショックを受けたことを描いているのでしょうが、吐くシーンなんて要らん~~![]()
そのシーンに生理的なダメージを受けた私も吐き気をもよおしてしまいました~ ![]()
こういうシーンを織り込む監督のセンス、全く理解できません![]()
長峰は、当初は2人の男の死をもって復讐と考えていたはずなのに(1人目も長峰は自分が殺したと思っていた)、結局はそうしませんでした。
2人目は、死ぬほどの恐怖を与えることにするのです。
(2人目を殺さないんだなってことは、途中でわかります)
映画では、残ったその1人の居所をつかむまでの間に冬の信州を転々と歩き回る孤独な長峰の姿が延々と描かれていました。
死ぬほどの恐怖とは、いつ殺されるかわからない…という常に狙われている恐怖、追われる者が抱く恐怖感なのだろうと思うんですが、残念なことに加害者の少年がそういった恐怖を味わっているシーンが全くありません。
少年は、自分が長峰に命を狙われていることも知らず、女子高生殺しで警察に捕まらないように信州で逃亡生活をしているだけなのです。
これまでと変わらない態度で親や知人からお金を巻き上げ、何の反省もしていない少年と、生きがいを失い、憔悴しながら復讐の一念で冬山を歩き続ける長峰。
クライマックスで、長峰は少年と対峙するのですが、ショットガンを持って少年の前に立ちはだかるものの、長峰自身が警察の砲弾に倒れて死んでしまいました。
長峰の死後、2発残っていたはずの弾が抜かれていたことがわかり、警察は、長峰を射殺後に「長峰が最初から少年を撃ち殺すつもりがなかったこと」に気が付きます。
「そんなことはとっくにわかってたやん
」って感じです。
少年は、目の前で長峰が銃弾に倒れて死んでしまっても、その手が自分の腕を掴んで離さないことに怯えるだけで、指を振りほどくことに必死なだけ…。
理不尽さだけを描いて何になる?って思います。
「世の中捨てたもんじゃない」って思わせてくれる小さな希望もない、日本の将来に恐怖心を抱いてしまうだけの映画でした。
加害者の少年は、長峰が考えたような死ぬほどの恐怖を味わうこともなく、再び社会に戻って同じことを繰り返すだろうと思います。
長峰は誰も殺していないのに、犯罪者を守ろうとする警察の手で殺されてしまったというのに…。
この映画では、警察側の思い、長峰(被害者の父 )が追う加害者である犯人を守らねばならないことへのジレンマも描いており、その切り口はいいんです。
でも、その描き方がまた浅い。
そのジレンマがあったとしても、警察がそれをやっちゃおしまい…そんなエピソードが織り込まれてました。
原作は、悲惨だけを描いたものではなかった…と思います。 こんな後味の悪い読後感ではなかった…
とはいえ、寺尾聡さんの演技はすばらしく、あと大好きな竹野内豊が出ていたので、20点にしておきます。
テレビ放送していたとしても…見なくてもいいと思います。
これを見るなら、10年くらい前に後悔されていたマシュー・マコノヒーの映画「評決のとき」をオススメします。
根本にあるテーマは同じで重いのですが、光ある結末です。




最近のコメント